2008'12.27.23:02

暗渠の宿/西村賢太

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あっという間に読み終わっちゃいました。
これも西村賢太さんの「私小説」らしいです。
前々回の日記に書いた「小銭をかぞえる」の時にちょっと出てきた話の内容が具体的に明らかになって、ファンにとってはうれしい感じ。
「私小説」とあるだけにいつも主人公は同じ「私」と見え、少しずつ明らかになっていく「私」という人物の物語を追っていくようで、非常に面白いです。

「小銭をかぞえる」のときよりも前の話ですが、相変わらずのクズ男っぷり。
その不思議なまでの自分に対する冷静な客観視と反して、目先のみえないダメすぎる行動にびっくりします。

「私」と同棲している彼女がいるのですが、この人が優しいいい子でこの男にはもったいない。
彼女が読み手に愛らしく思えるように描かれています。

というか、「私」がひどい。ひどすぎる。

彼女が作ったラーメンがぬるいと言っては、罵倒。
大きい方の用を足しているとき彼女が間違ってトイレの戸をあけてしまっただけで暴力。
そして決め台詞は
「この女はもっと私に従順であるべきだと思う。」

加えて、彼女の親から300万もの借金をするわ、彼女にはスーパーのパートをさせているのに自分は何をしているやら、昼から起きだすような記述もある。

そんな状態なのに、彼女は「私」とケンカをしつつもいつも許してあげてかいがいしく世話を焼くのです。

読み手の私の救いは、彼女が登場するお話には毎回(後年に私はこの女にひどい裏切り方をされるのだが)というカッコ書きの文が入っていること。
ああ、いつこの「私」は彼女にこっぴどくやられるのだろう、と期待して西村さんの他の小説を読み漁ってしまいます。…あのカッコ書きはその為の「引き」なんだろうか…


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「人志松本のすべらない話」という番組やってますが。
…すべってますやん。
特に松っちゃんの話…。

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