2019'11.14.22:15

演劇月間

すっかり寒くなってしまいました…。
いかがお過ごしでしょうか。

10月から11月にかけてここ最近で一番お芝居を見ました。
文化の秋でしたねー。
備忘録として書いておこうと思います。


○「渦が森団地の眠れない子たち

最近お気に入りの劇団「モダンスイマーズ」。
6月に公演のあった最新作「ビューティフルワールド」は私が見たお芝居の中でもトップクラスに好きな作品でした。
モダンの作演出を手掛ける蓬莱竜太さんの新作ということで見てきました。

主演は藤原竜也さんと鈴木亮平さん。
チケットがとりづらそうなお芝居を久々に見ましたw
なんと2人とも小学生役。

ここ数本の蓬莱さんの作品は東日本大震災の影響が色濃く出ていると思います。
今回も、どうも震災の影響で引っ越しを余儀なくされた小学生、圭一郎君(鈴木亮平)が主人公でした。
そのために入らざるを得なくなった「団地」という閉ざされた場所での子供社会。

蓬莱さんは人の嫌な部分を描くのに長けた作家さんです。
今回も主人公の小学生たちの、子供ならではのヒエラルキー、空気の読み合い感が嫌な感じでよく出ていました。

そして団地という閉塞感。
なんとなく重苦しく暗い感じがする中、藤原竜也演じる”暴君”鉄志君の破天荒な行動が笑いを誘ってなごみます。

いやあ、藤原さんは上手いですね…。彼のセリフ回し、間の取り方、流石だなと思いました。

私が見に行くお芝居の中では結構にいいお値段のチケットだったんですが…!
良いもの見た!って感じでした。

あ、ただ有名俳優さんやアイドルが出る舞台でありがちなんですが…舞台に慣れてない方々の観劇マナーが中々に…
お隣に座ってらした方も公演始まってもビニール袋をガサガサしたり、バックを開けたり閉めたり、あげくの果てに携帯を見たり…
うーん、困ったものです…



○「崩壊シリーズ『派』

人気のテレビ構成作家の手掛けるお芝居ということで興味があって見てきました。
友達がこのお芝居に出ている俳優さんのファンでチケット取ってくれたのもあり。

とある貧乏劇団が舞台。
法廷もののお芝居をすることになり、座長と劇作家でオチについて揉めている。
作家の方は本当は無罪の人が有罪になってしまうという、社会の不条理を投げかけるオチにしたいと主張しています。
座長はそれを聞いて劇作家にこう言い放ちます。
「そんな難しいオチ、うちの客にはわからないよ!」

…なるほど。
このお芝居の根底に流れるものをなんとなく感じ取った気がしました。
客の質を決めてかかっている。
テレビのお仕事をされている方らしい考え方かな、と。

お芝居はドタバタと勘違いや実際の人間関係を反映させながら劇中劇が進んでいきます。
私は「ああ、ここは笑うところなんだろうなあ」と思いつつ眺めておりましたw
いや、会場は結構笑いに包まれていたので、私には合わないお芝居だったんだと思います。
コントぐらいの長さだったらちょうど良かった気も。
まだ公演が始まって2公演目だったのもあり、ぎこちなかったのかなとも思います。

しかしなあ…貧乏劇団で金がない金がないって言っているのにあんな御大層なセットを組む必要性ってなんだろう…。上記の新国立劇場でやった「渦が森」だってセットなんてほぼ無かったぞ…吉本新喜劇みたいなものがやりたいのは分かるけど…
なんかこうツッコミどころが多かったですね。
喜劇だからかなあ。



野外劇「吾輩は猫である」

東京芸術劇場の前に特設ステージを作って行われた野外劇。
東京芸術祭のお芝居だからかなんとチケット代500円!

演出は演劇界では有名なノゾエ征爾さんということで、ちょっと行ってみるか、と。

内容は「吾輩は猫である」を元にしたものでした。
キャストが総勢70名越え!
それもそのはず、1人の役に多いと10人キャストがいる!
同一人物として何人も出てきてセリフを少しづつ喋ったりする。
その「集合体として一個の個体」という発想がSF的で面白かったです。

でも、途中でそのうちの誰かがそこで見ている猫だったりする不条理。

そしてオーディションで集められた素人同然のキャストさんたちが全員自己紹介を始めてしまったりする…
その様はまさしく学園祭のよう。

不条理が多くて物語はどうでもよくなってしまいました。
不思議なものを見たという感覚は残りましたが、感動はなかったかな…
キャストさんたちはあの寒い中、本当によくやってらしたとは思いました。



○『演出とは何か?』学習院女子大学パフォーミングアーツフェスティバル2019

学習院女子大学で行われた公演で20分ぐらいの同じ戯曲を2人の演出家に演出してもらい、その違いを見ようというものでした。
演出にはすごく興味があるので楽しみに行ってきました。

使われた戯曲はト書きがほぼなくセリフのみで設定がほぼわからないものだったため、2人の解釈の違いがかなり出たのは面白かったです。


私が見て思ったのは演出家の年齢差が如実に出たな、ということでした。

20代の演出家のものは感じるままに勢いで、という部分が多く、BGMもその場で感覚でつけたとおっしゃっていて、不思議なリズムが流れたりとまったり。キャストがしゃべりながら踊るように動きだしたり。

40代の演出家は戯曲を地に足着いたものにするためのいわゆる「後付け設定」が過分に入っていました。
しかしその後付けによって、このセリフは不自然では…?と思える部分も出てきてしまったり。
セリフの流れや音の入り方はこちらの演出の方が自然で、私が慣れた(というか、好んで見ている?)舞台に近いなと思いました。


その後のシンポジウムで20代の演出家は「自分が役者をやったことがないので、多くの部分を役者に任せる」とおっしゃっていて、一緒に登壇していた演劇学の先生は「今風で演出家と役者が平等だね」と…。

うーん、それってどうなんだろう…。
20代の演出家さんで若く経験が無いからというだけではないのか…。

とりあえず、登壇した演出家さん達がなぜ役者じゃなく演出をやっているのかと問われて「セリフが覚えられない」とクチをそろえて言っていたのが印象深かったw
私も「セリフ覚えるの大変そう」といつも思っていましたw

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